合併前の各用水の歴史(赤祖父ため池)

《赤祖父ため池の歴史》
 赤祖父川は、その水源に約70haのブナ林を持ち、古くから水源涵養林として大切に守られ約600haの田畑を潤してきました。しかし、干ばつになると水争いが絶えず大変苦労していました。特に大正15年の干ばつ被害は大きく、ため池築造の声がわき上がり、昭和7年9月に県営赤祖父郷用水補給事業ため池築造工事が起工されました。しかし、太平洋戦争による労働力不足から工事は進まず、昭和20年の完成までには13年の歳月と延べ13万5千人が動員され、特に堤体の搗き固め作業には女人夫7,800人が動員されました。
 ため池が完成し、また全国的にも珍しい円筒分水槽により公平な水の分配が可能となったことから、長年の水争いは解消されました。
 赤祖父ため池には、ヘラブナ、鯉、マブナ、ワカサギ、モロコなどが生息し、周辺には様々な野鳥、ニホンカモシカ、ウサギなどが多数生息しています。
 ため池では『ふれあいヘラブナ釣り大会』や『つばきの郷赤祖父夏まつり』など様々な行事が開催され、一年を通じ地域の人々に癒し・憩いの場として親しまれています。
 昭和27年(1952)に赤祖父郷土地改良区が設立し、平成15年(2003)に南砺用水土地改良区に吸収合併されました。