施設紹介

◇用排水路
 基幹的用排水路総延長約76kmを維持管理しており、開水路、水路橋、水管橋、圧力管路など様々な水路があります。農地の灌漑はもとより、雨水排水を除去し、洪水などの災害を防いだり、火災時の防火用水、冬場の消流雪用水、水と緑のある風景をつくる環境保持用水としての役割があり、潤いと安らぎのある生活環境を守っています。
◇示野発電所(砺波市庄川町示野地内
 示野発電所は、庄川上流用水土地改良区が管理する小水力発電施設で、土地改良施設等の維持管理費負担の軽減、及び二酸化炭素の排出削減を目的としています。
 庄川合口堰堤から取水した用水は、共同用水路(圧力管路:約 1.3km)を経由し、砺波市庄川町示野地内の分水場から二万石用水幹線水路(最大15.5㎥/s取水) に分水しています。
 示野発電所は、この分水場の遊休落差 約8m、最大流量8.63㎥/sで最大出力550Kw、年間発生電力量 2,398,000Kwhの発電を行います。
 当初、県営かんがい排水事業で建設され、平成11年 1月25日より運用を開始していましたが、運用開始より20年が経過し、電気設備の老朽化により故障が多発していたため、電気設備の更新工事を実施しました。この更新工事の実施により、令和5年5月2日より固定価格買取制度が適用され、売電単価が21円/Kwh(税抜)になり、組合員の負担軽減に寄与することができます。
 この発電所は住宅地に隣接するため騒音が少なく、ゴミの流入にも対応できる水中タービン方式を採用しています。

富山県砺波市庄川町示野419番地1

《示野発電所パンフレット》

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(PDF 1.77MB)


《示野発電所 更新工事概要書》

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(PDF 2.56MB)

◇揚水機場(南砺市高瀬地内)
 新用水、山見八ケ用水が老朽化し通水能力に欠け、またこれらの用水は庄川、井波市街地を流下しており汚水等で水質悪化が見られた為、県営かんがい排水事業庄川地区(昭和50年~平成11年)で庄川合口堰堤より約3.7kmの圧力管路にて揚水機場(南砺市高瀬地内)まで導水しました。揚水機場の遊水池へ減勢し水を溜め、そこから新用水幹線水路へ通水しています。また約20mの高低差のある五領ファームポンドまで揚水機場から揚水ポンプ3台にて送水し、山見八ケ用水路へ通水しています。

富山県南砺市高瀬501番地

◇赤祖父ため池(南砺市川上中、東西原地内)
 かんばつになると水争いが絶えず、赤祖父川のかんがい区域でため池築造の声がわき上がり、昭和7年9月に76万㎥を貯水する県営赤祖父郷用水補給事業ため池築造工事が起工されました。この工事は太平洋戦争による労働力不足などから難航しましたが、昭和20年6月から貯水しています。築造後50年経過し、堰堤や取水施設からの漏水等があり、平成7~12年にかけてため池の改修工事が行われました。なお、このため池は、ヘラブナの池としても愛好家や地域の人々に親しまれています。
◇赤祖父円筒分水槽(南砺市川上中地内)
 昭和20年に赤祖父ため池が完成しましたが、人の手による用水の分水には限界があり、一定の水量に按分する円筒分水(直径3.05m、深さ1.2m)が昭和24年に設けられ、長く続いた水争いが解消されました。このような円筒分水槽は全国的にも数少ない施設で、赤祖父幹線水路を3つに分水しています。令和2年4月に国登録有形文化財に登録されました。

富山県南砺市川上中字寺山1番地19